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TKP研修ネットしなやかな組織づくり~次世代の経営・マネジメント~ 第1弾
かつては普通ではなかったのに、もはや普通になっていることは、いくつでも見つかります。 たとえば手のひらサイズの検索機能を持つスマートフォンのような存在は、固定電話主流の時代には想像の世界でしたでしょう。 技術革新による利便性、簡便性で変化した機器は、身の回りに数多く見つかります。また物の変化だけでなく、感覚の変化も起こっています。 芸能人や政治家の私的な発言は接することのできない遠い世界という感覚でしたが、今はツイッターやブログを通じて瞬時に知ることができるものに変化しています。 以前は普通ではなかったことが、今や普通になっている。そうした変化を、「あたりまえ度の変化」と呼びたいと思います。
社会全体の受容度の変化は後から振り返ってわかるものではありますが、仕事に関わる領域で今後の変化がどのように起こっていくかに意識を向けておくことは、今の打ち手を考えるうえでも必要なことです。 むろん、移り変わりが激しい中で先々の予測を正確に持つことは、ほぼ不可能といえます。 必要なのは正確な予測よりも、起こりうる変化を複数想定しながら、変化に対応する力を蓄えていくことです。 自然学者のチャールズ・ダーウィンが「強いものが生き残るのではない。また優秀な種が生き残るわけでもない。生き残るのは、変化に対応するものだけだ」と述べたことは、現代社会にも当てはまるでしょう。 変化に対応するために必要なスキルが「感度」です。
顧客と話す機会はありますか?
世の中の動向に関心を持っていますか?
競合他社の動きを知っていますか?
・・・難しく特別なことを考える必要はありません。
こうした問いを自問自答しながら考え、時に違う立場だったらどうするかと仮定して事象を考察したりといった思考行動が、感じ方や意見の幅を広げる訓練になっていきます。 仕事直結の情報だけでなく、読書、映画鑑賞などプライベートでの気づきも「感度」に影響を与えます。 四六時中仕事のことを考えるということではなく、何か小さなことに目を向けたり、好奇心や興味をもって掘り下げてみることが一歩目になるでしょう。 さらに、所属しているチームや組織で気づいた変化を議論する機会があると、組織感度としても高まっていくはずです。
著:日本能率協会 KAIKAプロジェクト室 山崎賢司